投資家の本懐

FX、不動産投資、その他投資全般について

市場の毒(雇用統計の発表を受けて)

市場って何だろう?
そう考えてみたことありますか?

みなさん、聖徳太子って実はいなかったなんて説、聞いたことあります?
いや、厩戸王聖徳太子)は存在していたのでしょうけれど
聖徳太子が関わったとされる色々な業績が ? なわけで。

でもさ、ボクら中学生ぐらいの頃
十七条憲法だっけ、作ったのは聖徳太子だと習いました。
んで、試験で、作ったのは誰という設問があれば、「聖徳太子」が正答です。

言ってみれば、この「聖徳太子」が正解だ、というのが市場です。
間違っていようと、矛盾していようと、合理的でなかろうと
市場とは「答え」なのだから、絶対なわけです。

というのはね…
ある会社があったとします。
業績は普通ぐらい、その業種で考えると良くも悪くもない。
株価はここしばらく、概ね横ばいでした。

ところがここで、Aというその会社にとってポジティブなイベントが起きたとします。
Aはなんでもいいです。
画期的な商品が発売されるでも、何らかの制度変更が追い風になりそうでも。
そしてそれにより株価は大きく上昇したとしましょう。

ところがこのAが無くなってしまいました。
商品の発売が無期限延期になったでもいいですし、
制度の追い風が中止になったり延期になったでもいいし
とりあえず当面はAの影響を受けなくなった。
そうすると今度は株価は下がるわけです。

さてそのとき、その会社はAの影響が無くなることで、
A以前の状態に戻ったとしましょう。
Aに関わる件で、余計な経費をかけたでもなく
今後の見通し等が、A以前の状態になったわけです。

じゃ、株価もA以前の水準に戻るのが、合理的ですよね。
でも実際そうなるとは限りません。
長期的に考えれば、A以前の辺りに落ち着きそうですが
その過程では上下にブレるわけで、中期にわたってA前の水準以下で
落ち着いたりもするかも。

これが、市場が正答だという意味です。
トランプが「メキシコ国境に壁を作る」と言ったので、メキシコペソが
下落したとして
一週間後に「やっぱやめた」と言えば、元の水準に戻るでしょうか?
わかりませんよね、そんなの。
他の状況がほぼ一緒でも、どこまで戻るかはわかりませんし、あるいは元以上に上昇するかもしれません。

あるいは今日、雇用統計が出ました。

非農業部門雇用者数は前月比27万5000人増加

失業率3.9%

どう見ればいいかは難しい数字ですが
株価は予想通り、微妙に上向きです。
まだまだ当面の方向性は上でしょうか?
多くの人は今のところまだまだ上だと思っているのですが
ボクは、大統領が決まる頃には下を向くと考えています。
同じ物を見ても、人によってとらえ方が違うわけです。
(実際、どこまで同じ物を見ているかは疑問ですが)

でね、もしもひとたび多数派の見解が否定されるような事態になると
(この場合、アメリカで景気後退が起きると)
合理的な範囲を超えて売りが出たりする…。

ボクの考える市場の毒って、結局、感情だったり
あるいはAIによる売られすぎ、買われすぎだったり。

最近、逸失利益を考えすぎて周りに流される投資をしないようにという

警告などがされてきています。
あるいは、FOMOを感じているとすれば、それは実際に取り残されているんだなどと
WSJで書かれていたり。
まあそういう、感情の流れの部分が、市場では大きなノイズになるんだろうなあと。

で、前からボクの考えは変わらず、
「もし始めたなら自信が無ければ黙って積み立てておけー」と。
下落したからといって狼狽して売ったり、上昇したからといってソワソワしたりせず
余剰資金で同じ額を積み立て続ける。
絶対ではないですが、そうすれば勝つ確率は上がると思います。
ただし、市場に絶対はない ですが。