投資家の本懐

FX、不動産投資、その他投資全般について

酔っ払いの後始末(FX)

ここ数日、痛みがあまりなく、調子に乗って家で晩酌をしてしまった。
ついでにと、ほろ酔いで適当なことを書いたので、
今日、きちんとまとめなおしてみる。


ちなみに、酔った勢いでもうひとつ、
メキシコペソ 8.68なる困ったポジションも買いました。
まあこちらは、苦笑いしながら放置しております。
まったく、困ったものです…。

さて本題へ。
過去の日本(加工貿易国などと呼ばれていた時代)

まず、材料aを100ドルで買う
(ここは円を売ってドルを買う、円安要因)

aを日本国内で加工して製品Aにする
このとき、50人に100円払われる。

Aを海外で200ドルで売る。

次のサイクル

得た200ドルのうち
100ドルで再び材料aを買い、100ドルを円に戻す。
(得た円で、50人に100円を支払い、残りは利益)

以降、1サイクル毎に100ドル→円という、円高の要因が生まれる。

原材料の仕入れ<販売製品の価格 は絶対なので
加工貿易は必ず円高の要因になります。

日本は高度成長期から、この要因がある影響で
ちょうど、下が円高、上が円安の上り坂に駐車している車のような状態で
何かのはずみでブレーキを弱めると、ズズっと車が円安方向に動いてしまう
状態だったわけです。
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1ドル100円の場合

1万円を100ドルにしてaを買う。
aを加工してAを作り
200ドルで売る

200ドルのうち100ドルを1万円に替える
50人に100円=5千円払い、利益が5000円

残った100ドルでaを買う
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1ドルが150円になったら?

1万5千円を100ドルにして…
製品を加工し
200ドルで売って、100ドルを円に1万5千円

5000円の給与を払い、利益が1万円

この図式で考えると、ドルが100円から150円になると
利益は倍になっています。

こんなに儲かるのなら、販売価格を190ドルにも出来ますね。

これでますます製品Aの売れ行き、シェアが大きくなるわけです。

で、過去にアメリカはこの問題で怒りました。
日本製品ばかり売れてると。

でもアメリカは緻密さがあった。
ただ怒るだけなら子供のすること。
長期的な解決策を導く力も同時に持ち合わせていたわけです。

・円安にする

まず円安になれば、製品Aの競争力は落ちます。
1ドル150円なら、利益が1万円だったものが
1ドル100円では、利益は5000円です。
でも、これだけなら幼稚園児でも考えること。

アメリカ国内で生産させる
アメリカ「おい、日本製品に関税かけたろか? アメリカで生産せー」

へーへー
で…
100ドルでaを買って
1ドルを50人に支払い、アメリカ国内でAを生産し
200ドルでAを売った…。
まあこのような流れが、当時、そこそこの話題になった、コメディ映画
ガンホーのストーリにもなるわけです。

アメリカはこの時点で、問題の本質を見極めていたわけです。
問題は、日本製品が売れること じゃない。
日本製品が売れることで、アメリカ製品が売れないこと
つまり、アメリカの労働者が困ることや
税収が落ちることです。

アメリカ企業のメンツだとか、アメリカ人の誇りなど
本質とは考えていなかったわけです。
日本企業が、アメリカ国内で生産することで
アメリカの労働者は仕事を得ますし
税金もアメリカに落ちます。
これで一旦、問題は解決方向へ。
まあ、ここまでの考えは、高校生レベルかなあ?

 

さらにアメリカは考えました。
「工場はいずれ、賃金の安い市場へ行く」
それについての対応策は
さらなる3次産業への移行です。
これがアメリカの底力でしょうね。
大人な部分。

アメリカという総合体が、一部はまず一時しのぎ的な解決策を投じ
また一方で、それを一時しのぎだと考える層が
次の一手を考えたと、そういうことですね。

ここでアメリカは2次産業から
金融・保険・サービスへシフトを替えます。

対する日本は、「賃金の安い市場へ工場を移す」方向へ。
ですが、やがて中国等が
かつての日本のように台頭しはじめ、苦戦を強いられるように。

ところで、日本の儲かったお金はどこへ行ったか?
はい、土地ですね。
余ったお金は地価を高騰させ、バブルとなりました。

一方の中国も、かつての日本と似たような流れで
台頭し、地価が高騰し、バブルがはじけようとしているわけです。
ボクの目には、大筋では中国は、日本と同じような方法、理由から発展し
日本と同じ失敗でコケようとしているように見えます。

そして今、我々が使っているものは
WindowsiPhoneandroid Amazon ネトフリ…
これらの多くは、製品の皮を被ったサービスです。
androidなんて、無料ですが、そこでは
Google Play が付いています。

誰かが何かを売買するとき、それがどこの誰であろうと
自分たちのところへ一定のお金が入るという
「システム」こそが、3次産業の中核です。

さて今、日本では、かつてのような
貿易黒字はありません。
売上をドル→円に替える流れが無いわけです。

一方で我々は、上記の様な色々なサービスを使っている。
これらを使えば使うほど
円→ドル の流れが生まれるわけです。

今、日本国内で、かろうじて3次産業で自国が優位なのって
キャッシュレス決済 ですよね。
あとはなんだ…メルカリ?まああれも国内では強いです。

一応、ペイペイとかJCBとか、頑張ってはいます。
あ、一応、アメリカのPayPayのことじゃないです。
でもここも、カードならアメックスも入り込んでいますし
中国人は、中国系決済サービスを使っている。

 

ボクは、日本が海外で売れるシステムとして
「鉄道」というものがあるとも考えたことがありますが
どうなりますやら…。
日本は相変わらず「電車」や「線路」は売ることが出来ていますが
世界の鉄道網を管理するには、全く至っていませんねえ。

海外の電車がなぜ、定刻通りに来ないのか?
電車が悪いから じゃないですよね。
時刻を守るシステムが弱いから です。
バスを見てごらんなさいな。
日本でも多くの地域で、時刻通りに来ないでしょう?
あれは、バス自体が製品が悪いわけでも、道路が悪いわけでもない。
時間通りに動かすためのシステムを、構築出来ていないから遅れるわけです。
どうすれば、ときに渋滞する道路を、時刻通りに発着させられるか?
その答えが見つけられないから、遅れるんです。

でも電車はそれが出来ている、システムが作られているから
それを売り出せばいい。
ま、難しいですけどねー。
でもその難しいことを
Amazonなり、ネトフリなり、ウーバーなりは、やったわけです。
なのに日本は相変わらず、「製品」を売ることをメインにしか動けていない。
これじゃあなかなか勝ち目はないわけです。

また今、日本は高齢化に進んでいます。
少し前は、「高齢化もビジネスチャンス」だと言っている人がいました。
でも最近はあまり見かけないようです…。
サービスを規格化して製品として売る、という考えが
どうも日本人にはあまり、馴染まないようで。
これってまあ、国民性ですかね?
しゃーない。

つけ加えると、
過去の経済摩擦で、アメリカが一時しのぎ的な解決策を投じつつ
自国の産業構造を変えたと書きました。
一時しのぎを考えた層と、それとは別に解決策を考えた層が居てと…。
でもね、全員が全員、産業構造の変化についていけるわけはないので
だから、かつては栄えたラストベルト地帯なるものがあったり
トランプが台頭し、支持される要因にもなったわけです。
彼の存在は、変化に対応できなかった者達の集合霊であり
変化の行き過ぎた部分のひずみでもあるわけです。

アメリカの底力がすごいと言っても、何も全員がすごいわけじゃない。
国内にすごいことをし得る人が、出る素養がある、というだけのことですね。

ただね、こうやって書いてきたこと…。
これってぼくが2000年ぐらいから
なあんとなく考えていた世界なわけで。

これからは、為替を円高に押す力が弱くなってくる。
サービス等の分野では、日本は売り手ではなく、買い手になる。
だから、じわじわと、これらが為替を円安方向に押す力にもなる。
そしていつかのタイミングで、多くの人が
坂道の傾斜が変わったことに気づき、円安へ動き出す。

ま、想定どおりになったわけです。
当然、たとえばさっき挙げた鉄道だって
サービスを売りたいという方向性を考えての動きは
無いわけじゃないし、
わかっていた人は、大勢いたわけです。

ただボクは、とりあえず円安になる とだけ考えて
手っ取り早い自衛手段だけを取って、自分だけ
安全地帯へ逃げ込んでしまった。
もっと出来ることがあったのでは…?
そんな思いが、ブログを書かせてるのかなあ…。

ま、ほら、キリギリスだって、冬になれば反省しますから。

 

あ、ちなみにですが、まだ一部の人しか
傾斜が変わったことには気づいていません。
多くは、「金利差があるから円安へ動いているだけ」と。
だから、アメリカが利下げをすれば、実際、円高へ振れます。
為替は多数決だから。
でもそれも、一時的なことだというのがボクの考え。
昨日のブログではその辺り、どうしてそう思うのか、などが
しっかり書かれていないと感じたわけです。
ま、酔っ払いにしては上出来かもしれませんが…。
(いや、今日のブログだって、色々とはしょりすぎてるけど)

 

ま、やがてね、近い将来、改めて
「あれ? 円ってもう安全資産じゃないよね?」という
世界的な合意がなされ、

場合によっては、日銀対市場の戦いが起きたり?
というのが、ボクの考えではありますが…。

さて、どうなりますやら…