投資家の本懐

FX、不動産投資、その他投資全般について

もうひとつのシナリオ(FX)

日銀は来年、利上げをする、とあちこちでは言われている。
が、これは本当のところ、どうなるかはわからない。

これは、日銀の立場に立って考えればすぐわかること。
仮に、どちらかというと利上げはしたくない、と考えていても
「うちは利上げしたくないです」などと言えば、
どんどん円安が進行する。
嘘でも
「利上げの準備に入ってます」というポーズは取らないと
円安の牽制が出来ない。
つまり、「やるやる詐欺」なのか、「本気」なのかは
来年にならないとわからないわけだ。

前回は、利上げした場合の地獄について書いた。
一時的に円高に進むも、利上げのマイナス要素が日本を苦しめ始めると
一気に円安に振り切れて、1ドル数百円から、それ以上の世界になる可能性があると。
ちなみにこれ
円は、アルゼンチンペソやトルコリラと同じ状態にある。
という、某所の見解にもうっすらとあることで、
取り立てて極端なことを言っているとは思わない。
(ただそういった見解は「だから利上げしろ」という利上げ煽りでもあるとも考えているが)

さて、もうひとつ、ありそうなシナリオもある。
日本が「利上げの下準備中です」と言いながら、状況を先送りしている間に
アメリカが先に利下げモードになること。
こうなると、日米の金利差は縮小傾向に入り、自然と円高へ進むだろう。
もしアメリカのリセッションが派手に起きれば、円高も急激に進む。

これもまた、十分にありえることなんだけど…。

さて、アメリカが利下げをして、ウクライナの戦闘が終わって
イスラエルあたりのゴタゴタも、とりあえず一息ついたとしよう。
世界的に、景気は後ろ向きなので、当面日本も利上げは積極的には出来る
雰囲気でもない。
たしかにこうなると、1ドルは130円とか120円、場合によっては100円代を目指すかもしれない。
が、後には何が残るか?

アメリカが利上げをすれば、1ドル150円ぐらいは簡単に行く。という
過去の結果だ。
景気はいずれ持ち直す。
アメリカがリセッションしたとしても、5年も?経てばまた立ち直る。
経済は繰り返しなので、また利上げのターンが来る。
そしてそのとき「ああ、前回は150円までは行ったな」という記憶が盛り返す。

つまり、もう円は、簡単に変動する可能性のある通貨としか見られない。
まるめると、2軍落ちだ。
これまでは、アメリカに何かが起きそうであれば
とりあえず、円を買って財産を避難させれば一応安全と見られていたが
もはや世界からは、「円は、何かあればずるずる落ちる通貨」という認識しかない。

ただね、植田総裁はどうも、この辺りを狙っているんじゃないかなあと。
ボクも、より、破滅する可能性が低いのは、こちらじゃないかと。
だから、利上げするより、するすると言って、しない方がマシかなあとね…。

日本はもう、負け試合なわけで、起死回生の一手などは無さそうだが
別に負けても国が亡びるわけではない。いずれ、次のターンが来る。
そのときにまた、勝ち上がりやすいような地合いを、今から作らなければならない。
その為には、ひどい負け方はしてはならないと…。
もちろんその頃、ボクはもう生きてすらいないんだけど。