投資家の本懐

FX、不動産投資、その他投資全般について

ドル円148円はもう中心点じゃない?(FX)

来年以降、ドル円がどうなると思うか?
専門家に訊いても、あるいは投資に興味がある一般人に訊いても
まあだいたい
「ドル安になるんじゃね?」と言うんじゃないかと。

さて、今意見がまとまっていないのは
「じゃ、いつから本格的にドルが下落するの?」という点。

前回、148円はもう、求心力が無いと思ってたけど
意外とまだ、多少の力が残ってるのかもね?
ということを書きましたけど…

まさか…148円ってまた戻るんだ。
じゃ、今日1円落ちたとこで買えばいいんだよね?
なんて思った人、居ませんよね?
やめてくださいよ、そういうの。
求心力が落ちている、引きつける力が無くなってきているというのが
主題なんで…。
そりゃ、また戻ることだってあるかもしれないけどさー…。

で、今日は上記の通り、ズルっと1円ほどドル安です。
はい、円高じゃないです、ドル安で、ついでにユーロ安です。

これって
「ユーロの物価上昇、落ち着いてきたね」とか
アメリカの物価上昇率、相当落ちたみたいいよ」などの方向の
発言の影響ですかねえ。
でも、豪ドルとか、メキシコペソとかは、上向きです。
円が強いのなら、この辺りも同様に落ちるはず。

つまり、円が買われているのじゃなくて
ドルとユーロが売られているんですねー。
メキシコペソも豪ドルも、取引高から、ドル円のおまけ
金魚のふんのように、追従するだけの存在と思いがちですが
意外と場面場面を注視すると、
「ああ、今、世界の人らはこんなこと考えてるんだろうなあ」
なんてのを推察出来たりします。
(難しいのは、その推察が当たっているかどうか、判断する材料が乏しいこと)

こうやって、レートの動きを丁寧に見るようになったのって
やっぱ、8.68なんてなかなかとんでもないロングを持ったからですね。
ボクが常々言っている
「ただで見るんじゃない、見るなら最低限、参加料を払いなさい」
ってことで。

いつも書いている
「世界をどう見るか?」ということの意味について少し。

我々日本人から見ると、ドルの金利が上昇を始めたとき
「このままだと円の価値が相対的に下がるかも」と考えた人もいたはず。
まあ、まだまだ日本ではそういう考えは少数派でしょうけど。

で、今、アメリカなりヨーロッパの一部の人も
同じように考えているんじゃないか? と。
円が利上げを始める、というのであれば
ドルから円へ、そうでないのなら、どこか他の通貨へ…。
あるいは、過去から現在まで
「円をショートしていた海外勢」が
これを解消し始めた…と。
自分の立場、自分の国からだけ見て考えていては、全体像は見えないです。
だから、「世界が見えているか?」をいつも、頭の片隅に置かなければならない。

過去に、あるアメリカ人が1万ドルを持っていたとしましょ。
この1万ドルを証拠金として、円売りドルロングのポジションを1万ドル持ったとします。
このとき、この人は、現物の1万ドルと、ポジションの1万ドルの、計2万ドルを持っているわけです。

さて今、この人は、「もうドルは落ちる」と考えたとします。
決済…ポジションの1万ドルを売って、円を買います。
(ここでドルが売られて、下がる)
で、ですよ。
この人は3000ドル儲けたとしましょう。
そうすると、口座には13000ドルある。
「ドルが落ちる」と考えていたのに、現物資産としては
ドルが1万→1万3千 に増えているわけです。
さてどうする?
これまでなら、何も考えず、ドテンするところでしょうが、
現在の円は、ドテン先として優秀だろうか?
ユーロはおそらく、候補にはないでしょう。

まだアメリカより利上げの余地があるオーストラリア

あるいは、金利差からメキシコペソ…
それともやはり、円か…?
いや、ランドだって…?(まさかね?)

とね、日本人と同じように、世界中の人が
資産を減らしたくない、資産を増やしたい と考えて
行動をしているわけです。
参加者が増えているから、dんどん世界が読みにくくなってきている。
だからって、日本人中心の考えだけじゃ、理解できる部分は少ないはずです。
たとえば

USD/MXNはどうなるか?
同じように豪ドルは?
あるいは、他の通貨は?
為替のレートを見れば
最近レートがどう動いているかは、なんとなくわかります。
じゃ、ドルベースではどう動いているか?
USD/MXNなんて、レート表を見ても、載ってないところが多いですが
頭の中で合成して、どう動いているかを考えましょう。

その上で
「円ベースでこれからどう動くか?」と
「ドルベースでどう動くか?」を予想してみましょう。
これらが、なんとなく方向性が、予想と現実が合っていれば
漠然と、世界が見えていると。
もし円ベースの予想は合っているのに
ドルベースでは予想と逆に進んでいるのなら
半分しか世界が見えていないわけです。
いや、薄く売買するなら、何も見えていなくても、やっていいんですよ。
でも、ガッツリ勝負するのは、多少の不安が残ります。

たとえばメキシコペソ、今は円ベースでも多少上を向いていますが
さらにドルが落ちたとき、どうなると思うか?
取引高が圧倒的にドル円と差がありますから、ドル円に追従するだろうとか?
いや、そもそも今は、ドルを売るべき局面だ だとか。
(などと書いていて、ふとレートを見ると、ペソも落ちてきてますね)
こういう時間差とかを拾えれば、より利回り良く、利益が出せるわけです。
頭金=現金でレバレッジをかけたとき、同じレバレッジなら
どのポジションを買うことが、一番高い利回りになるか?
今はメキシコペソを推していますが、今後もこのままとは限らないわけですし、
特に下落の局面でショートするなら、ドルをまず売って、こまめに利確して
遅れてメキシコペソの下落を狙う、という戦略だってあり得るわけです。
(ボクはショートスワップが大きすぎるんで、そういうのはしたくないですが)


で、来週がヤマです。

ヤマなんだけど…。

ここで皆さん、少し考えてみてください。
インフレになって金利を上げる。
金利を上げると、その通貨が上がる。
(それ自体おかしな話です。物価が上がるということは、その通貨の価値が下落しているはずなのに、その通貨に買いが集まるのですから)
で、インフレが収まってきたところで、金利を下げる…。
すると、今度はその通貨が下落する。
でもね、このとき、その国が貿易赤字であれば
通貨の下落は、輸入品の価格を押し上げる力になりません?
そうすると、不景気なのに、物価の上昇が再び起きかねません。
(まあこの場合、どの商品の物価上昇を注視するかにもよりますが)

結局FXなんてシステムは、経済の安定の邪魔でしかないのかもしれませんねー。