はい、IMFが最近、過去100年間で、大きなインフレからソフトランディング出来た例は無い という発表をしました。
ボクもこれについてちょっとだけつけ加えたいと。
中央銀行は老獪になってきている、いわゆる、やり手ばばあになってきている、というのがまずボクの見解。
インフレ→ハードランディングを過去の失敗と考え、そこから改善点を見出そうとしている。
だから、単純な景気循環からインフレが起きた場合なら
現在なら、もしかして、ソフトランディングも出来るかも？ とは思います。
でもさ、まず今回のインフレって
「コロナ」と「ウクライナ戦争」の影響を大きく受けていて
単純な景気循環じゃないよねー。
だから、まあ無理だろうなと。
でもさ、まず中央銀行自身は「ソフトランディング無理っす」なんて明言はしません。
そんなことしたら、みんな
「中央銀行が無理って言ったんだから、株を売れー。なんなら銀行預金おろして床下に隠せー」なんて、余計に混乱するだけです。
それに証券会社とかも、「これから株が下落します」なんて言ったらホントに下落しちゃう。
取引量が減れば、自分の会社が困るわけで、
「ソフトランディング、難しいけれど、なんとかなるんじゃね？（知らんけど）」ぐらいに留めないと。
だから、ソフトランディング出来る という意見がある程度見られるのは当然ですね。
次に、中央銀行の権力は絶対じゃないです。
お金に関することは、ある程度の権限がありますけれど
一方で政府が足を引っ張ったりする。
アメリカも、もうすぐ選挙ですから、国債を発行して、政府は国民に良いところを見せないとならんしー。
今、FRBは、市中に出ているドルを回収する作業をしてるわけですが
他方で政府は、国債を発行して、資金を調達して、ドルを巻きたい。
FRBは「そんなこと辞めろや」とも言えんし
政府も「引き締めなんてしてんじゃねえよ」とも言えん。
ただ現状、お風呂のお湯を抜きながら、蛇口から風呂桶に水を入れてる感じ…。
いや、いいんですよ。
国債がね、市中で買われて、そのお金が政府に回って、それを巻くなら。
それだと、お金の量を増やすことにはなりませんよね。
でもさあ、今、アメリカ国債って、わりと不人気なんすよねー。
最終、これをFRBが一部引き受けるなんてことになったら
市中からはお金の供給を減らしてるけど、政府にお金を回して
そのお金が市中に流れて…。
もう「なにやってんだお前ら！」という事態になりかねません。
ま、どうなることやら。
そして、中央銀行が操れるのは、お金だけです。
今、コストプッシュインフレの面が大きいわけで。
人手が足りない、石油が足りない…。
中央銀行は労働者を作れませんし、石油も印刷出来ません。
短期金利は操れても、長期金利は市場に任せることになります。
だからー ソフトランディングなんてー むーりー。
今のシステムでは、限界っす。
まず選挙というシステムで政権が選ばれることやら、
政府と中央銀行が、相反する策を打ち出すことやら
コストプッシュインフレへの対応策が限られてることやら…。
ちなみにボクなら…どれほどお金を積まれても
今の局面で、FRB議長やら、日銀総裁なんて、やりたくないっす。
でも、選挙も、政府と中央銀行がそれぞれ別の働きをすることも
現状、「一番マシ」な手段として考えられてることだし
ハードランディングして、たまに株が死ぬことも
現代を生きる為の「生存税」（造語ね）みたいなものだと覚悟するしかないっす。
たださあ…このタイミングで新ニーサとか、少しヤバくね？と。
一定量はアメリカ株に流れるわけで…。
うーん…おらしらねえだ。
かく言うボクだってさ、こういうこと、あんまはっきりとは言いたくはないっす。
「こいつが落ちるって言ったから買わなかったのに、上がったやん」なんて
言われたくないしー。
（ま、どうせここ見てる人なんて、ごく少数だから良いけど）
でも思ってることを言わないのって、気持ち悪いもんねー。
だから、穴掘って、こっそり言うわー
「アメリカは必ずリセッションすんぞー」
