投資家の本懐

FX、不動産投資、その他投資全般について

テクニカルとのおつきあい

以前に書いたことと被るわけだが、テクニカルに対する考え方について。

まずFXをやる上で、絶対にやってはいけないと考えていること。
これも以前どこかで書いたような記憶はあるが、
「市場がおかしい」とは考えてはいけない。
例を挙げながら詳しく書いてみたい。

12月1日。
ドル円が130円のとき、メキシコペソが7円だったとする。
(別に豪ドルでもユーロでも構わないのだが)
ある憶測が流れ、一気にドルが127円まで落ちたとする。
このときメキシコペソも、6.8円になったとしよう。
理由はなんでもいい。
米利上げが止まりそうだとか、日本がYCCを辞めそうだなどなど。

で…

12月2日 24時間後。
この憶測が大ハズレだったとしよう。
他の指標は、想定どおりなら、まず、ドル円は130円を目指すはず。
だが、実際はそうはならないことが多い。
が… ここでは仮に130円ピッタリに戻ったとする。
じゃあ、メキシコペソは7円になるか?
ユーロは? 豪ドルは? 元の値付近に移行するか?
これはもう、概ね元の値に戻るなど、なかなかあり得ないだろう。

ここで考えてほしいのは、12月1日と その24時間後で
何か実際に変化はあったのか?
どこか大きな会社がつぶれたとか、災害が起きたとか
今後の見通しに変化があったとか。
たとえばドルの利上げであれば、近い将来止まるだろうという見通しは
12月1日 130円だった時点でも、概ね共通認識だったはず。
これが、「次回止まる」という結果的に誤った情報が流れたことによって
ドルが急落したわけだが
12月2日、誤報であることが確定し、今回は誤報以前の予想通りの利上げ幅だったわけで。

これが科学の実験であれば、影響を与えていた物が無くなったのであるから
元の値を目指すものだ。
これが本来、グラフ化出来る物の条件となる。
これはファンダでも同じこと。

なぜそうならないのか?
当然だが、市場は思惑で動くから。
科学で扱うような「物質」は意思などないから、計算通りに動く。
市場は、それを構成している物が、意図を持って動いている人間だから
状況が同様でも、結果はバラバラになる。
つまり、市場には、正しいとかおかしいなどと
評価がつくものではないのだ。

故に、グラフ化、チャートで分析など出来るはずがない。
(だが一方で、テクニカルは重要でもあるんだけれど)

株の場合で言うと、風説の流布は犯罪である。
あるいは、インサイダー取引なども取り締まられる。
これは実際、株価が「噂」で動いてしまうからなわけで。

チャート分析とは、この「噂」だと考えている。
チャートを見て、明らかに上に行きそうだとある人が考えたとすれば
同様に考える人が他に多数いるのだということ。
実際に上がるかどうかは、どのぐらい多数の人が、チャートを見て
「上がる」と予測するかにかかっている。

つまり、ある分析が正しいかどうかを考えるのではなく
どれだけ多くの人に指示されているかを考えるべきだというのがボクの思惑。
と言っても別にこれ、特に新しい考えというわけでもないですけどねー。
テクニカルには、参加者の思惑が含まれているという考えと一緒だし。

ただね、たまにいるんです。
新しいチャート分析の手法を、自分が使うために編み出したいという人。
新しい分析手法というのは、少数の人にしか知られていないということで
これを、世に広めるのではなく、自分だけが使おうとするのはどうかと。

さて近況。
メキシコペソはまた6.9をはっきりと超えたわけで、例によっていくつかを利確。
やはり予想どおり、水曜に下落し始めたので少しずつ下で買いなおし。
少しずつ、ポジションの平均を下へ移動させていく。
まあこれだけでは、大きな下落には対応できないわけで
隙を見せれば 焼石に水にしかならないのだが