投資家の本懐

FX、不動産投資、その他投資全般について

ボクの中のうさんくささ(不動産)(FX)

前回、ボクはうさんくさい、と書いた。
まずはそこから。

健美家のブログでちょうど面白いものがあった。
ここではブログから引用をするので、興味が無ければ開く必要はない。

お金がお金を生み、お金持ちはさらにお金持ちになっていく。富裕層の投資「債券」は本当の不労所得|不動産投資の健美家

100万円を預けて、預金担保で80万円借りて、借りた80万円を預金担保にして64万円借りて、64万円を預金担保にして・・・51.2万円と繰り返しおこなっていくと、この時点で100万円+80万円+64万円+51.2万円で、お金は249.12万円に増えました

はい、これ。
FXにしろ不動産にしろ、レバレッジをかける点は一緒。
レバレッジと税金を制すれば、たいていのことはどうにでもなる。
長くずっとこの考えで「投資」と向き合ってきたが
この考えこそが、うさんくささ なのだろう。
上の文を読んで、はいそうですね、とすんなり納得出来るだろうか?
ボクは出来てしまう。
さらに、こうすればもっとレバレッジが上がるのでは?などと考えてしまう。
そして、レバレッジと言えば、LTCMを思い出して、ふと調べ直して
「ああ、俺ってうさんくさいなあ」という感想に行きついたわけだ。
考えの方向性や、根幹がうさんくさいわけだ。

さて、そんなうさんくさいボクが、このところずっと書いていたのは
「経費」のお話。
銀行への返済を先送りして、(融資期間を長くとって)
そこで得た資金で配当を得る。
税金を先送りして、(減価償却を取り、売却までの間にその資金を運用し)
配当を得る。

融資35年でCFが出る、と言っても、それは、その分長く利息を払い続けていくわけで、ぼーっと眺めているだけなら、返済期間は短い方がいい。
期間の猶予で得た、あるいは、後から払うということで、無利子で税金を先送りして作った、一応の自己資金を使って
運用に回す。

だから、先送りした支払い<運用利益 とならないなら、やらない方がいい。

ここで思うのは、
「不動産投資なりを始める以上、利払い以上の利益を出さなければならないのは必然」
1億借りて運用して、結果が出せるなら、100億借りても同様に結果が出せる。
ゼロが増えたから怖い、というのは、究極、自分の運用に自信がないから。

ああ、うさんくさい。危うい。
正論なのに、なんでこんなにうさんくさく感じるのだろう?
理由はふたつかな。

・他人のふんどしで相撲を取ろうとしているから
でも多くの金持ちってそうじゃない?
株だってクラファンだってファンドだって、みんな他人の金じゃん。
自己資本だけで大きくするなんて、時間的に無理じゃん。
(だからそこがうさんくさいんだって)

・同じ運用をするなら、借りる額は大きければ大きいほどいい
これもその通り。
500万借りたって戸建てしか買えないが、
数百億借りられれば、ジェット機だって買える。
x兆借りられれば、半導体工場だって建てられる。
でも、その理屈には、多くの人が持っている不安など、重要な要素が欠落している。
そして、透けて見える部分がうさんくさい

「1億借りて破綻しても、1兆借りて破綻しても、自己破産すれば結果は一緒」
そうだけど…その一緒って、自分は一緒ってだけで、周りの被るマイナスは計算してないよね?
いやあ…
例えばよ、仮の話。
楽天が1兆の赤字を出して倒産したとしたら? それOKだよね?
企業として努力して、育てようとして、その過程で失敗しただけのこと。
別に、悪いことをして赤字を出したわけじゃないでしょ?
同様にボクが、1兆の赤字を出して、破綻したとしても、同じじゃない?

同じなのかもしれないが、多くの人は、そもそも怖くてそんなにお金を借りられません。
貸してあげる、と言われても借りられません。
だからみんな、大学を出たら就職を目指すんです。
そういう部分が、どこか欠落している。
理屈で詰めて、概ね大丈夫と思っても、不安があって橋を渡れないのが普通。
計算上大丈夫と出れば、いきなり大型トラックで渡ろうとするのがあなたです。

とまあ、世間的常識を想定して書いてみたが
「ああ、俺ってこんな、一般的視点とやらでも書けるんだ~」としか思えない。
橋を架けて、そこで計算上のミスがあるなら
歩いて渡ったって落ちるかもしれない。
計算上落ちない橋なら、トラックでも徒歩でも一緒。

じゃあ他人が自分と同じことをしようとしていたら?
止めます。
1億借りてアパートを買い進めるのは止めないよね?
止めません。
その人、自己破産する可能性だって皆無じゃないよ?でも止めない?
止めない。
でも、100億借りるって言ったら、止めるよね?
止めはすると思う。
破綻すれば、結果は一緒だよ?
たしかに…

人は誰でもほぼ、論理的な合理性とは別に、感覚としての合理性を持っている。
感覚としての合理性とは言ったが、それは本質は合理性ではなく
経験から来る恐怖や不安なのだろう。
ボクは論理を盾に、「感覚の合理性」に反することを主張している自覚があるから
うさんくさいと感じるのではないか。
正確には、「他の人からすると、うさんくさいと思われるだろう」という自覚があるわけだ。

つまり、ボクの主張は、多くの人から危ういと思われるのだろう。
だが、株やFXではなく、不動産は実需であって
ファンドに投資をする人は、投資相手がどういう人かは重視するが
個々の賃借人は、その人がうさんくさいかどうかなど、考えもしない。

違う。
そもそも一般的には、FXを始めることに、一定の抵抗がある。
何の抵抗もなく、論理的に運用する方法に興味を持つ、そこがおかしいというか
他の人と違うわけだ。
その「違和感=うさんくささ」だ。

で、要は、自分では、「俺をうさんくさいと思う奴などどうでもいい」と内心では
考えているくせに、「出来るだけ多くの人に好かれたい」と。
もっと言えば、「(相手にも利益を与えるから)俺の手助けをしてほしい」と。

相手の利益や立場について、きちんと考慮して行動するから
自分は正直で善人だと考えている。
だが周囲は、相手が善人かどうかは、論理ではなく感情で判断する。
だから、どこまで行っても平行線にしかならない。
人を味方につけるのは、論理や利益ではなく、カリスマだ。
「そんなものは要らない」という考え方を捨てなさい。
あなたにはあなたの良さがある。それは単に「利益を与える」ということではなく
「多くの人に利益を与えたいと願う心」にある。
与え得る利益で相手を説くのではなく、与えたいという心をより前面に出しなさい。
そうすれば、より多くの人が、あなたの味方についてくれるはずです。

って別に、味方がいなくて困ってるわけでもないんだけどねー。
割と人の縁には恵まれていると思うし。
ただ、たしかにボクの味方って、「得」があるから味方になってくれてるわけじゃないもんなあ…。
多少、理に勝ちすぎてるのかなあ…?