投資家の本懐

FX、不動産投資、その他投資全般について

世界で起きている危機

現在世界的に株式は下落傾向にある。
ボクは、秋ごろまでには、アメリカ主導で世界経済が減速すると書いてきたが
今起きていることは、これまで書いてきたシナリオとは、多少別の話。
まずはこれまでの主張をまとめてみたい。

現在、アメリカの景気は、数値上はわりと良く見える。
が、実体はそれなりに悪いというのがボクの考え。
市場の参加者は一定数、
アメリカの雇用は強い、物価の上昇圧力も弱くはない
と考えている。
だから株がまだ上昇傾向にあった。

だが実際、賃金(時給)は上がっているが
労働時間は減っているし、副業、かけもちで仕事をしている人が増えている。
本当に景気が良いのなら、労働時間が減らされるはずがない。
時給は、アメリカは労働組合が強いから、上昇しやすいし、下げにくい。
会社として、従業員に払う賃金の総数を下げたければ
時給を下げるより、労働時間を短くする方が簡単だ。
労働組合は、時給にはうるさいが、労働時間が短くなることは受け入れやすい。
つまり
時給1000円で8時間働いてもらっていたところを
時給1200円にして5時間働いてもらう。
これで、8000円の日当を6000円に減らし、労働組合の文句も避けられる。

失業者数にしてもそう。
元々のアメリカ人は失業者が増えているが
新たな移民の就業者数が増えれば、失業率は減る。

例を挙げてみたい。

元々のアメリカ人
1万人   就業者 9000人 失業率10%

新たな移民
1万人   就業者 9900人 失業率1%

総数
2万人   就業者  18900人  失業率5.5%

さらに、移民の正確な数が、少な目に把握されている可能性が高い。

実体の移民数が1万人のところ、9000人とカウントされてしまうと
9000人 の移民のうち、9900人が働いているというおかしな計算になってしまう。

まあ移民は、実家に帰ることも、失業保険をもらうことも出来ないから
入国すれば即働かなければならない。
一方、元々の国民は、ある程度は仕事を選ぶ。
なんでもいいから働く、というふうにはならない。

多少時給が高くても、バックトゥザフューチャーの主人公の兄のように
ファストフードで働きたいとはあまり思わない。

こういった、数字の操作やら統計の誤差やらで
実体以上に景気が良さげに見えているだけだ、というのがボクの考え。
ましてや今年は大統領選の年なので
「景気が良くなければならない」
だから、可能な部分では数字は操作されるし、現職大統領に不利になるような
統計の誤差は修正されにくい。
それでもボチボチ、「あれ? なんかおかしくね?」という
声が出始めているのが現状。
秋から冬、大統領選の結果が出る頃には、これが顕著になるぞ、と。

さて一方、今起きていることは別だと書いた。
過去に、中東情勢次第で、物価が上がる可能性があるとも書いたが
現在はこのリスクが表面化してきていて
輸送コストやら原油価格などの上昇が懸念されている。
需要が減っていようが、コストやら原価が上がれば、物価は上がる。
(コストプッシュ型インフレ)
で、アメリカは再度の利上げが必要かも? という意見も出始めているが
コストプッシュ型のインフレは、利上げで抑えられないぞと。
利上げをすれば、買いたいという需要をある程度下げられるが
人間、生きていれば必ず消費をするわけで
最低限、一定の需要は下がらない。

さらには、今は世界大戦の危機がある。
イスラエルとイランがやらかしてるわけで、場合によってはここで
核が使われたりしたら…?などと。
で、有事の可能性が生じれば、ドルが買われる。
おかしな話でもある。
アメリカは間接的な当事者でもあるのに、比較的関係の薄い国の通貨が売られ、
場合によっては影響が出る可能性のあるアメリカの通貨が買われる。

今後どうなるか?
個人的には、キンやらメキシコペソを買うで良いと思っている。
実際に有事になれば、ドルもどうなるかわからない。
なら、大きな問題にはならない方に賭けて
直接、イランなりと明確に対立していない国の通貨を持ちつつ
大問題になれば、金が上昇するだろうと。

ま、何より、世界大戦など起きない方がいいし、少なくとも日本には核が落ちないといいなと…これは願うより他はないかと。
木村拓哉じゃないが、ショーマストゴーオンなわけで
投資家であれば、生きることと投資をすることは同義。
生きる以上、何かにベットを続けなければならない。