投資家の本懐

FX、不動産投資、その他投資全般について

我田引水になっていないか?

前回の続きです。
知識やら技術やらがあっても、それを活用するときに
陥りがちな罠について。


すごく良くある話なんだけど、あるラーメン屋の例。
「うちのラーメンはおいしいはずなのに、客が来ない。」

まあ、実際にラーメン自体はおいしいと仮定しよう。
でも、美味しければ客が来るとは限らないですよね。

価格がその地域では多少高すぎるのかもしれない。
立地が悪いのかもしれない。
車移動の地域なのに、駐車スペースが無いのかもしれない。
宣伝が足りないのかもしれない。

とりあえず、確定していることは、客があまり来ないという事実。
このとき、傾向として
「客がバカだから」
「宣伝担当が無能だから」
などと、他責に考えてしまうことも、わりとある。

不動産で言うと、借り手が見つからないとか
あるいは、物件の価値が上がると見込んでいたのが、下落しているとか。

データを見るにしろ、現地を下見するにしろ、見てるのは人間。
そこにバイアスがあるとすれば、個人の感情だろう。

「俺は慣れている。技術がある」という慢心だったり
「これは良い物件だ、買いたい」という先入観が先走っていたり
あるいは、単なる買いたい病の影響で、現実以上に良い想定をしていたり。

これ、誰だってあると思うんです。
だからボクの場合
「俺は凡人だから、周りが2割空室なら、俺の2割は空室になるんだ」と言い聞かせる。
「こうすれば空室が埋まるはずだ」という自信があったとしても
それは希望的観測。
そうなったら良いねってだけで、ベースは2割空室で考える。
決して、俺のラーメンは美味いんだから、ここでも客が来るとは考えない。

「こんな豪華な建物、施設なんだから、うちのホテルは、エステは、選ばれるはず」
「料理が美味しいんだから、うちの店は客でいっぱいになるはず」

誰だって何かしらの事業をしようとするなら、工夫や嗜好を凝らすでしょう。
食べ物屋なら、普通は腕に自信があって当たり前。
でもつまづくことが多いわけで、結局上手くいかないのは

どこかで「捕らぬ狸の…」的な見通しをしているのでしょう。
もちろん、想定外の不運に見舞われたから という例もいっぱいありますが、
客観的な見通しを立てられる人なら、どこかで再起する目もあるわけです。
(不運の度合いにもよるけどさあ…飲食で開店直後にコロナとか最悪だもんね)


ボクなんかもね、新駅が出来るとか、都市計画で将来道路付けが良くなるとかだと
つい、「買いたい目線」になってしまいがちです。
小田急の新駅だっけ?良い物件が無いか、探しちゃったし。
でもそういうのだって
「土地値? 買った後上がったらいいね」

「整備車庫出来て、雇用が増えそう? 増えたらいいね」であって
基本はさ、現状がベースなんだよねえ。
「将来こうなる予定」は、虎たぬなんです。

それに大きくベットしたら、それ、山師っす。

いや、事業は山師っけも必要なのかもしれません。
事業として考えるときは、まず現在を元に実線を引いて
上振れる期待は、点線を書いて。
あくまで重視すべきなのは実線の方です。

でもまあ、希望的に見ちゃうのはわかる…人間だもの。
そこは技術やら力量とは違うんだよねえ…。
そこらへん、ボクは妻と一緒に周れてるから、幸せ者だなあと。
普通、経営者って孤独だもんなあ。