以前に、アメリカのインフレが顕著になるにつれて、ドルが安くなるのが本来だ、と書いたはず。
これの説明がきちんとされていなかったように思うので、もう一度。
今、日本でBigMacが500円。
アメリカでは5ドルだとしましょう。
そしてこれが1年後、日本で550円 アメリカでは6ドルになるとします。
BigMacをM 日本円をy アメリカドルをdとします。
今の状況は
500y=M
5d=M
500y=5d
d=100
となり、1ドルは100円前後となります。
さて1年後
550y=6d ですので
d=91.66
1ドル91.66となります。
で、これを金利平価説で書くと
1年後
日本円 100円 101円(金利1%)
ドル 1ドル 1.03ドル(金利3%)
レート 1ドル100円 1ドル=101÷1.03=98.06円
はい、下がりましたよね。
金利を上げるということは、物価も上がっていて、それに金利を合わせているということでもあるので、
ドルの価値は落ちている、というわけです。
で、以前、なぜ現実ではこうならないのか? について
「金利が高い通貨でも、一定の信用があれば、多くがその通貨を投資対象とするから」
と説明しました。
ドルよりはるかに金利の高い通貨であるトルコリラは「信用」が無いから
下落しつづけるわけです。
つまり、金利平価的な見方で見られている、とも言えるわけで。
でも実際、アメリカ国内では、あらゆるものの価格が上昇してますよね。
それって、流通してるドルの価値が下がっている とも言えるわけで。
実際には、ドルの価値は下がってます。
だって、一番ドルを使って売買する国、アメリカで、ドルの価値が下がっているんだもん。
でも、対円で見ると、金利差でドルが上昇していると。
本来なら価値が高いはずの円が下落しているわけです。
でもね、アメリカの経済がもっと混乱すると、「金利差は正義」という考えが
通じにくくなるよと…。
それがボクの考える、ドルが一時的に?下落する
という考えの理由のひとつなわけで。
で、もうひとつは、金利差の縮小です。
まあ金利差の縮小の方は計算可能ですが、見方の変化については
数値化して測ることは難しいかと。
あるいは、アメリカはデフレ化して、また別のシナリオで考えなければならなくなるかも…?