投資家の本懐

FX、不動産投資、その他投資全般について

日銀が破綻するという論理について

よく、金利を上げると、
国債が払えなくなる
・日銀が破綻する
などという話を聞く。

これは明確におかしいので、(一部分は合っているが)一応書いておきたいと。

まず国債
長期金利が1%と上がると、国債の利払いが1%増えるとか。

そういうことはありません。
国債は、発行時に利率が決まっている(変動金利ではない)ので
上がるのは、新規国債を発行した場合のみです。
政府は、借金(国債)を返す為に、新たに借金をするわけで、家庭で言うなら
自転車操業状態です。
この、新たな国債の部分のみ、1%上がるのですが、まあそれは、全体から見れば
一部だけなので、即全部の国債が1%上がるわけではないです。
なので、部分的にしか正しくないと。

日本銀行が破綻する

金利を上げると、国債の価格は下がります。
仮に、国債の利率が10年で1%だとしましょう。
で、日銀が100兆円の日本国債を持っていると仮定。

ここで、普通預金金利が、3%になったら?
黙って銀行に預けていれば3%貰えるのに、年あたり0.1%の国債なんて、誰も買いません。
だから、たしかに国債時価は下がります。


一方日銀は?
日銀は、国債を購入し、将来101兆円貰える資産として、これを計上しています。
元々、時価が上がろうと下がろうと、これが決算に反映されることはありません。
そもそも日銀は、国債が上がろうと途中で売るつもりもないし、償還されるまで持ち切るから、時価は関係がないわけです。
しかしながら、たしかに、金利が上がると日銀は破綻しかねません。
が、これは国債とは全然別の話です。

だから、金利は政府や日銀に影響を与えなくはないですが、
市況が健全であれば、利上げも可能なわけです。

でも、今は、市況が健全じゃないのに、ドル高を止める為には利上げが必要なのではないかと言われている。
たしかに、ドルの上昇を止めたいなら、金利を上げるのが一番早いかなあ…。
と、思っていたところで
ドルが今、勝手に落ちてきたわけですねー。
このままなら、ギリギリ耐えられるんじゃないかと。
そのうちに、今、海外で生産されている物を、国内の生産に切り替えれば
輸出の際に、円安は有利にもなる…。
輸出が増えれば、円も高くなっていくし、雇用も賃金も上昇傾向に向かい、景気も好転し
本来の健全な形での利上げも可能になる…
と、そんなに上手く行くものかねえ?

金利が上がって日銀が、政府がすぐに破綻状態になるというのが眉唾なら
輸出が増えて…というシナリオも、絵に描いた餅 みたいですねー。

さて、どうなることやら